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【百年人生におけるパーキンソン病治療の展望:第三刊】

百年人生第3刊_表紙
定価 1,000円(税+送料込み)
判型 A4判
ページ数 28ページ
発売 2020年9月上旬予定
購入申し込み 下記フォームよりお申込みください
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巻頭言

2019年から始まった新型コロナウィルス感染症は一向に収まる気配がない。ワクチン接種が始まり高齢者の重症化は抑えられているが,若い人達のなかで感染が拡がっている。 このようななかにおいても第3回パーキンソン病治療シンポジウムがハイブリッドで開催された。
人類の歴史は感染症との闘いといっても過言ではなく,まさしく100年に一度の大きな転機に置かれていると言える。この新型コロナウィルス感染症も医療技術により克服されることは間違いない。
一方,パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)は,対症療法は進歩しているものの疾患修飾療法は依然として開発途上にあり,患者のQOLは十分に高いものとは言えない。
PDは,1817年にJames Parkinsonが「Shaking palsy」を報告したことに始まり,1888年にCharcotがParkinsonを称え,筋固縮を加え,PDと名付け,その後,1919年にFrederic H. Lewy による黒質レビー小体の発見,1960年に佐野,Ehringerらによる東西で同時発見されたドパミン欠乏,それに基づく治療薬L-ドパの導入,1983年に神経毒MPTPの発見1997年に遺伝性PDのα-synuclein原因遺伝子の発見,翌年われわれのグループからParkin原因遺伝子の発見と,特に,1990年以降,PDに関する知見の報告には枚挙に遑いとまがない。
さらに,単一遺伝子異常に伴う遺伝性PDは,現時点でPARK1-23まで同定されており,最近われわれのグループにより優性遺伝性PDの原因遺伝子CHCHD2(Lancet neurology 2015),2020年にはProsaposin遺伝子に変異を持つ3家系を見出した(Brain 2020)。
これまで原因遺伝子産物の機能解析から,PDの原因にミトコンドリア,リソソーム,輸送システム,神経炎症そして酸化ストレスの関与などが推定されている。孤発型でも同じパスウェイが,それぞれの患者で優位に働いていることが予想される。言い換えればミトコンドリアパスウェイが主体している患者もいればリソソームを主体としている患者もいると推測している。
今後さらに精密医療の実現化が進むものと予想される。当教室では2021年秋にはわれわれが開発を進めている疾患修飾療法が始まる。製薬企業との共同研究講座も12講座設置して新薬開発や患者データベース作りや患者と医師のギャップを埋めるべく数理モデルで患者-医師間の意識のギャップの数値化を目指している。
「人生100年」が現実的になっている昨今を考えると,100年人生の幸福社会実現こそ医療が今後真摯に取り組み進むべき道と言える。
本誌『百年人生におけるパーキンソン病治療の展望:第三刊』は,一般社団法人Neuroscience Laboratory Japanによる「第3回パーキンソン病 治療シンポジウム」の内容を中心に発刊した。
また,2021年度 いしがね海老原財団 Neuroscience Awards受賞者お二人に,受賞研究に関して寄稿をお願いした。お二人とも若い臨床研究者であり,将来が嘱望されている。この賞を励みに悩めるパーキンソン病患者に成果を届けて欲しい。
最後に多岐にわたる薬物治療と非薬物治療の方向性と未来治療について,読者に有効な情報となることを願ってやまない。

一般社団法人Neuroscience Laboratory Japan代表理事
順天堂大学大学院医学研究科神経学教授
理化学研究所脳科学研究センター神経変性疾患連携研究チームリーダー

服部 信孝

目次
■巻頭言 服部 信孝
■特集 第3回パーキンソン病治療シンポジウム  
パーキンソン病における不安,疼痛,体軸障害 高橋 一司
レム睡眠行動障害の鑑別と診断 谷岡 洸介ほか
パーキンソン病の衝動制御障害に対する理解と援助 加藤 千尋ほか
(パーキンソン病・レビー小体型認知症の)
認知症への対応について
野﨑 和美
運動療法によるパーキンソン病の進行抑制
―運動と認知の側面―
三原 雅史
パーキンソン病患者が継続できる運動療法の実践 木村 大輔ほか
■受賞研究:いしがね海老原財団Neuroscience Awards  
パーキンソン病における遠隔医療技術の開発と普及 大山 彦光
脳内ネットワークに着目したパーキンソン病と
運動障害疾患の病態解明とQOL向上
坪井 崇

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