定価 | 1,000円(税+送料込み) |
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判型 | A4判 |
ページ数 | 28ページ |
発売 | 2020年9月中旬予定 |
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【百年人生におけるパーキンソン病治療の展望:第二刊】
巻頭言
パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)は,1817 年にJames Parkinsonが「Shaking palsy」を報告したことにはじまる。1888年にCharcotがParkinsonを称え,筋固縮を加え,PD と名付け,その後,1919年にFrederic H. Lewy による黒質レビー小体の発見,1960 年に佐野,Ehringer らによる東西で同時発見されたドパミン欠乏,それに基づく治療薬 L-ドパの導入,1983 年に神経毒MPTPの発見,1997年に遺伝性PDのα-synuclein原因遺伝子の発見,翌年われわれのグループからparkin 原因遺伝子の発見と,特に,1990 年以降,PD に関する知見の報告には枚挙に遑いとまがない。さらに,単一遺伝子異常に伴う遺伝性PDは,現時点でPARK1 〜23まで同定されており,最近われわれのグループにより優性遺伝性PD の原因遺伝子CHCHD2 (PARK22)が単離同定された(Lancet neurology 2015)。そして新たにProsaposin遺伝子に変異を持つ3家系を見出し報告した(Brain 2020)。嬉しいことに成果は高い評価を受けBrain誌の表紙を飾った。これまで遺伝性PD の原因遺伝子産物の機能解析から,ドパミン神経細胞死にミトコンドリア,リソソーム,輸送システム,神経炎症そして酸化ストレスの関与などが推定されている。ドパミン補充療法のみの対症療法だけでは十分な予後改善とは言えず,進行阻止可能な疾患修飾療法の開発が喫緊の課題と言えよう。近年,人工知能によるクラスター分析の結果が発表された。その論文によるとde novo症例で2.7年経過フォローすると少なくとも運動優位型,中間型,広汎悪性型の3 群に分類されると結論づけている。先に触れた遺伝性PD の原因遺伝子が少なくとも24型あることと併せると疾患名は1つであるが,その中身は多様性に富んでいると言わざるを得ない。「百年人生」が現実的になっている昨今を考えると,長期にわたって患者をフォローする必要があり,多様性のなかでprecision medicine の実現が重要と考える。2020年は100年に一度あるかないかの感染症COVIT-19に人類は苦しめられている。この感染症は世界大恐慌(The great depression)以来とも言われている大不況をもたらしている。一方、The great depresonによりThe great realization(大いなる悟り)がもたらされた。この時期だからこそ自分を見直す時かもしれない。本誌『百年人生におけるパーキンソン病治療の展望:第二刊』は,一般社団法人Neuroscience Laboratory Japanによる「第2回パーキンソン病治療シンポジウム」の内容を中心に発刊した。また,2020年度いしがね海老原財団Neuroscience Award 受賞者に,受賞研究に関して寄稿をお願いした。多岐にわたる薬物治療と非薬物治療の方向性と未来治療について,読者に有効な情報となることを願ってやまない。
一般社団法人Neuroscience Laboratory Japan代表理事/
順天堂大学大学院医学研究科 神経学教授
服部 信孝
■巻頭言 | 服部 信孝 |
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■特集:第2回パーキンソン病治療シンポジウム | |
パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別点 ~的確な治療の導入のため~ |
狩野 修 |
進行期パーキンソン病の治療 | 冨山 誠彦 |
進行期パーキンソン病に対する手術物療 | 梅村 淳 |
パーキンソン病治療のピットフォール ~看護師の立場から~ |
山本 澄子 |
パーキンソン病のピットフォール ~薬剤師の立場から~ |
中鏡 暁子 |
パーキンソン病における嚥下障害 | 山本 敏之 |
言語療法によるパーキンソン病およびパーキンソン症候群の 嚥下障害へのアプローチ |
清水 充子 |
■受賞研究:2020年度 いしがね海老原財団 Neuroscience Awards | |
診療教育部門賞:パーキンソン病の鑑別診断法と診療エビデンス構築 | 佐光 亘 |
学術研究部門賞:孤発性パーキンソン病のゲノム医学研究 | 佐竹 渉 |
お申し込み方法
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申込開始9月7日から
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